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あれこれ

早見あかりさんのあれこれです。

「ここに居るだけでもう、僕は結構満足です。」の精神に学んだ一日

先日発売された『ROCKIN'ONJAPAN』に掲載されたSAKANAMONの藤森元生さんとあかりちゃんの対談記事はもう読まれましたか?

紅白歌合戦を観た母親とあかりちゃんの会話など面白い話がたくさん聞けるのですが、それより何より対談時の藤森さんの姿が印象に残りました。

その印象を正直に言えば終始ただのファン状態(失礼)だった藤森さんですが、あかりちゃんの何に魅力を感じたのか、どういう気持ちで応援しているのか等を真摯に答えていらっしゃいました。

そもそもこの対談はSAKANAMONのメジャー2ndシングル「花色の美少女」のモデルがあかりちゃんだった、という縁から実現したものなのですが、その「花色の美少女」リリース時の藤森さんのインタビュー記事がこちらになります。



──これ、セルフ・ライナーノーツに「美少女(アイドル)に日々を救われる男性をテーマにした曲です」ってありますけど、藤森さんが実際にのめり込んでいないと書けない歌詞だと思ったんですけど。
ははははは! モデルにしているアイドルはいるんですけど、そこまで過剰なファンではないですよ。デフォルメしつつ。(①より引用)

「そこまで過剰なファンではない」と仰る藤森さん。

そして②では更に詳しい解説がなされています。

EMTG:今回に関しては、比較的イメージが明確にあったってことですね。モチーフになった女の子がいたわけですから。
藤森:そうですね。
EMTG:その女の子って?
藤森:元ももいろクローバー早見あかりさんです。
EMTG:なるほど!全てがよく分かりました。イメージカラーが青でしたもんね。
藤森:青です(笑)。
EMTG:だから《でも週末には彼女が踊るんだ》なんですね。ももクロは“週末ヒロイン”だから。
藤森:そうです(笑)。
EMTG:早見さんが抜けてから、もう結構経ちますけど。(インタビューは2013年8月)
藤森:だから2番から歌詞上は脱退しているんですよ。
EMTG:なるほど。そう考えて歌詞を読み直すと《迷いの無い新たなるステージ》とか、すごくよく分かります。
藤森:“グループを辞めても、ずっと愛を捧げよう”という曲になっております(笑)。
EMTG:実際に藤森さんは、早見さんのファンなんですか?
藤森:はい、一応(笑)。(②から引用)
“グループを辞めても、ずっと愛を捧げよう”というテーマの曲の中に《迷いの無い新たなるステージ》という歌詞を盛り込んだ藤森さんの、あかりちゃんの脱退に関しての想いは「ROCKIN'ONJAPAN」を読んでいただくとして、応援する・感謝を伝えるという行為は嘘偽りの無い態度の上に成り立つということが分かります。


話は変わって「ROCKIN'ONJAPAN」発売日の深夜。
とあるラジオを聞いていると次のような話をしていました。

(ラジオの書き起こしほど、ラジオの魅力を半減させてしまう迷惑な行為も無いと思っているのですが、心に留めておきたいので書かせていただきます。)

A=先輩芸人、ラップを一曲作ってみたい

B=後輩芸人、元人気ラッパー


A:曲作りの上で何をテーマにしようか?
B:「リアル」じゃなきゃ駄目ですよ。「フェイク」は駄目です。
A:「リアル」と「フェイク」ってなんなの?
B:世の中の情勢に興味無いのに世の中のことをラップする奴は「フェイク」です。Aさんが一番熱く怒っていることとか、それが「リアル」です。何かあります?
A:やっぱり相方への怒りだよね。
B:あー、それ「リアル」ですね!それだけは「フェイク」じゃないです!それで行きましょう!
Bの知人にスタジオを無料で使わせてもらってレコーディングをすることになり、エンジニアへのお礼に悩むA
B:コーヒーとかエナジードリンクとかで良いんじゃないですかね
A:そういうわけにはいかないだろー。どら焼きの詰め合わせ買っていこう。
B:こんなの大丈夫ですよ。居ないですよ、こんなに差し入れする人。
A:こういうのちゃんとしておきたいんだよ!これからお世話になるかもしれないし。栗入りのどら焼きも買っておこう。
B:いや、本当に大丈夫ですよ!
A:B……これが俺の「リアル」なんだよ!
B:じゃあオッケーです。
Bは、というかラッパーは意外に分かりやすいなという笑い話なのですが、「リアル」「フェイク」論を聞いて素直に感心すると同時に次のような思いが浮かびました。

藤森さんの姿勢は「リアル」そのものではないか!と。

バイト面接の時に話す志望動機はほぼ「フェイク」だろうし、夏休みの読書感想文は「リアル」寄りの「フェイク」になるのかな。
どちらも、「リアル」から感じられる熱を発することは無い。夏休みの読書感想文に感じる「リアル」は大分ぬるめ。早く書き終えて遊びに行きたい!って気持ちの方がよっぽど「リアル」です。

しかし、好きなモノ、コト、ヒトを語るときは熱すぎるくらいの「リアル」で語っちゃうことが多い。(個人の感想)
藤森さんはギラギラとした感じこそ出しませんが、あかりちゃんのそして、あかりちゃんと話をするのはとても楽しそうです。
私もあかりちゃんの話題となるとガチガチの「リアル」で語ってしまいます。

熱すぎる「リアル」は、また違った角度からの「リアル」を呼んだり、どちらの「リアル」が正しいか論争まで起こしたりします。(ラップだとラップバトルになるのかな。You know what I'm saying?的な)

そうした議論の先で、自分の(または相手の)中に新たな「リアル」が生まれることもあるので、議論そのものを否定することは出来ません。好きなモノ、コト、とりわけヒトに迷惑をかけない様にすればOKだと思います。

しかし、「フェイク」は何も生み出さない。
藤森さんは「リアル」を貫いたからこそ、今回の対談が実現しましたし、応援している相手と互いに笑顔で接することが出来ました。



ラジオでのトークは進み、完成したラップの音源を相方(以下Cとする)に披露しました

C:(素晴らしい完成度だと褒めながらも)これ、しっかりラップで返さないとダサいんでしょ?こんだけdisられて(笑)
A:まあ、そうだね。Disrespectは結局Respectの裏返しだってヒップホップの世界ではよく言うんだけど、本当にそうで、この曲作るとき、Bと二人でずーっとCのこと考えてた(笑)だから、結局はRespectですよ(笑)
C:いや、Aはいいよ、Bよ。会ったことも無いし!後輩の振る舞いとしてdisられると単純にイラッとするよ!
A:いやいや、結局はRespectなのよ(笑)

「リアル」ラップには「リアル」ラップで返す。それが礼儀だそうです。

裏を返せば、「フェイク」には良くて「フェイク」が返ってくるだけ。

こうした態度には大いに学ぶべきものがあります。

何も見返しの「リアル」が欲しいわけではありません。むしろ既に充分すぎるほどいただいているとさえ思っています。

「応援する」だなんて格好いいことを言ったって出来ることは極々僅かで、藤森さんのように形に出来る人はそうそういません。

だったらせめて、一切の「フェイク」を無くそう、そう思いました。

難しく考えず、「リアル」な態度を貫こう。そう考えさせられた一日でした。


文:リ○ルトゥース